Laraaji/Ambient 3: Day of Radiance

Day Of Radiance
Brian EnoのAmbientシリーズ四作のなかで唯一、Enoのクレジットがない本作。全5曲、50分近く収録されているうち、"THE DANCE #1-3"と"MEDITATION #1-2"の二部に分けられている。Laraajiの演奏する、独特な楽器(チター、ハンマー・ダルシマー)の瑞々しい音色のその美しい抑揚が作るミニマル的変化から本作は成っているが、前半の"THE DANCE"は激しささえおぼえる快活な進行を、後半の"MEDITATION"は一転して舞い上がった後の軌跡を思わせる静かな音のながれを聴かせてくれる。そのどちらにおいても、琴線の放つ音のきらめきには民族音楽的な癖はなく、あくまで環境音楽としてさわやかな響きを楽しめると同時に、長尺のそれらを聴いているうちに心地よい昂揚がめばえ、気づけば耳を釘づけにしてしまっている。そうなったらいっそこれがAmbientシリーズだということを忘れて、ボリュームを上げてトランス感覚に浸ればいい。同じ、個人的な楽器+電子音のミニマルが心地いいたとえばManuel Gottschingの『E2-E4』のような奏者の顔が見えてしまうものとはまた違う、頭の中の"わたし"や"あなた"が音に洗われて光にさらされ、その光のなかでさらにまぶしく内側から白熱させられ変えられていくような、必要な調子はとても強く、けれど静かに、無名のままとらえられる快感があるはず。


◇Laraaji - Day Of Radiance - HMV(試聴)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1308205
これだけではなんのことかという気もしますが、これらが音の調子を強めながらけれど声は荒げずにしばらく鳴りつづける。
環境音楽 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A2%83%E9%9F%B3%E6%A5%BD